【キャリア】ケアプランの有料化でケアマネは仕事を失う?
介護保険制度の課題
最近、次の介護保険制度の制度改正のために活発に議論されてますね。
ご存知かと思いますが、介護サービス対する自己負担は現在1~3割になっていて、残りのお金は40歳以上の被保険者(働いてる人)が払っています。
ただ高齢者がかなり増えているので、被保険者が納める介護保険では高齢者を支えることができなくなってきているのがかなり問題になっています。
本題
今後十中八九、介護サービスの自己負担は全員2割以上になっていくでしょうし、今無料で作成してもらえるケアプランも有料化するでしょう。
ケアプランの有料化についてはまだ反対意見は多いようです。
日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は、「現在はほぼ全ての利用者がケアマネジメントを使っている。これが損なわれれば制度全体の基盤が揺らぐ」と問題を提起。
この主張の意味は、有料化して利用者がケアマネのサービスを受けなくなったら、利用者ごとにどういうサービスを提供すれば良いかという基準もわからなくなるよ、適切なサービスを提供できなくなるよ、ということです。
でも、そんなことないと思うんですよね。そもそも現在でもケアマネの質は全体的に低く、利用者に適切なサービスを提供できていないことが多いのではないでしょうか。
ケアマネ業界が抱える問題
ケアマネ業界が抱えている大きな問題はこちらです。
- アセスメント・ケアプランの質を適切に評価してもらえる環境がないため質が低い
- 時間に追われて各利用者についてしっかりケアプランを塾考する事ができない
- 利用者は介護について素人なので、ケアマネの評価ができない(ケアマネを交代させれることすら知らない)
いろんなケアプランを見ていても、そもそもアセスメントで利用者とご家族の正確な情報や希望を聞き取れてないことは多いです。非常に表面的な内容だけを聞いて、何となくそれらしいケアプランを作成しているケースがほとんどだという印象です。
こうなっていることは仕方ないことでもあります。
ストレスやプレッシャーを自分に与えながら向上心を持って学んでいく人はほんの一握りですし、そもそも教育の立場にある上司でさえ良いケアプランを作る能力がないことも多いからです。
質の悪いケアマネは仕事を失う
ほとんどの利用者や家族、いわゆる介護業界にいない一般の人たちは、担当したケアマネが適切なアセスメントをしてくれているか、良いケアプランを作ってくれているか自分で判断する事ができません。
介護について通常知識がありませんし、一生の中でケアマネさんと話す経験なんて殆どないからです。なので、上記のような質の低い仕事をしていても今までは上手くやってこれました。
ところがケアプランが有料化されればどうなるかというと、お金を払うサービスについてはそれ相応の質を求めるようになるので、一般の人も知識をつけてケアマネを交代するなんてことが当たり前になっていくと思います。
ケアプランの作成は1件あたり14,000円ほどと言われています。何割を利用者が負担するようになるかはわかりませんが、14,000円もらうほどの価値があるサービスを目指さなければ、質が低いケアマネはどんどん仕事を失うことになるでしょう。
努力家のケアマネにとってはチャンス
これを読んで、「なんてことを言うんだ」と憤慨するケアマネはそれまででしょうね。
でも、向上心のあるケアマネはチャンスだと気づくはずです。
介護保険での財源確保に限界がきている分ケアプランはいずれ必ず有料になると思います
— びず@ケアワーカーのキャリアとお金のはなし (@5mins_asset) November 3, 2019
すると能力がないケアマネは仕事が減って、真面目に能力を磨いている賢いケアマネの価値は非常に高くなるでしょうね
俺なら優秀なケアマネに2倍でも払いますhttps://t.co/fvR6WfK1aR
介護業界で働くデメリットは、給与の額が上がりにくいということです。介護事業所の主な売上が介護保険のため、どんなに優秀な介護士やケアマネがいたとしても一般企業のようにどんどん売上伸ばしていくことができないのが理由です。
興味がある方はこちら読んでみてください
ところが、今後優秀なケアマネはその能力に付加価値をつけて、介護保険以上のお金をもらって商売することができるようになるでしょう。
私なら富裕層をターゲットにして、質の高いサービスで介護保険以上の料金を取ることを目指します。
正直自分の大切な親のためなら質の高いケアマネジメントや介護を受けたいというのは当たり前で、それによって親がより幸せに、また希望通りの人生が過ごせるのであればケアプランに5万、10万を払っても高すぎることはないと私は思っています。
今後は1,000万円プレイヤーのケアマネが出てきたり、ケアマネに対する教育事業を始める人も出てくると思います。
今後のためにケアマネがやるべきこと
このピンチをチャンスに変えるためにケアマネが何をしていくべきかは明確です。
アセスメントの質を向上する
ケアマネジメントの"質"について常に追求していきましょう。"質"について正確に定義することは困難ですが、少なくとも利用者と家族は何を求めているかを正確に把握することが必要です。
多くのケアマネが上記のようなよくある悪い例に該当します。
例えばこういったケアプランを作成する方が多い印象です。
一方よくよく話を聞くと「公園に行きたいのは孫の遊ぶ姿をみたいからだけど、電動車椅子で行けたら歩けなくてもいい」と言っている場合もあります。するとケアプランはそもそも間違っていますよね。
もちろん短期目標、長期目標も大きく変わってしまいます。
アセスメントの質を上げることが以下に大切か、わかると思います。
地域資源を正確に把握する
ケアプランを作成するにあたって、地域資源の把握はとても大切です。
怠惰なケアマネはケアプランの内容に関わらず、知っている介護事業所を紹介するばかりで、変わっていく各事業所の状況を把握するために訪問したり、密に連絡を取り合うことをしません。
一般人が地域資源の口コミを共有しあったり、簡単に検索できるようなサービスが出れたり、またケアマネや居宅の口コミサービスが出るとすぐにこのような怠惰は露呈することになるので、今から各事業所との関係強化や情報収集をしておくことがとても大切です。
人数を裁くことしか考えない居宅を辞める
とはいっても、居宅の方針が「一人一人の利用者に合った丁寧なサービス提供」ではなく「売り上げ重視」であれば自分の能力を磨く余裕も、ケアプランを丁寧に作成する余裕もないと思います。
そういう事業所はケアマネの能力アップに適していないので、できる限り避けましょう。長期的に考えると、如何に自分のサービス価値を高めていくか、社会から必要とされる能力をつけていくかが大切です。
もし今の居宅に疑問を持っていたり、より良い環境で働きたいと思った方は、居宅を「理念」を基準にして探してみてもいいと思います。
こちらはケアマネさんにもおすすめの転職サイトとエージェントをまとめていますので、是非参考にしてみてください。
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