ケアワーカーのキャリアとお金のはなし

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【キャリア】良い(悪い)介護事業所を見極める3つの方法

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介護士として働く中で、転職を全く経験しない人はごくわずかだと思います。また退職した約39%は1年未満に退職する言われています。

こちらは離職理由に関するアンケート結果です。

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第145回社会保障審議会介護給付費分科会資料

ネガティブな離職理由として多いものをわかりやすく書くとこの通りです。

・心身の不調
・事業所の方針への不満
・人間関係
・収入

身体については本人事由として、精神の不調も何かしらの不満や人間関係などにより生じるものだと考えると、事業所事由の主な理由はこの3つになります。

主な離職理由  ・事業所の方針への不満
・人間関係
・収入

ではこれらについて、入社してから不満が出ないようにどう見極めればいいでしょうか。

方法①-エージェントが持つ情報をフル活用

まず事業所を探すときに、転職サイトに登録すると思います。

ハローワークは相対的に、転職サイトに載せるお金がない事業所が多いです。「お金がない=採用コストが高い or 経営が不安定=離職率高」の場合もあるので、でできるだけ転職サイトでも探してみましょう。

転職サイトにある程度給与や手当について記載があると思いますが、転職エージェントを利用することは下記のようなメリットがあります。

転職エージェントを使うメリット  1. 書類で落とされるような高待遇の事業所もエージェントの推奨で通りやすい
2. 給与交渉をしてくれる
3. 過去の紹介実績をもとに、事業所のリアルな評判を教えてくれる

優秀なエージェントが担当につくと満足のいく給与で就職できたり、評判の悪い事業所は出来るだけ省いてくれるので是非活用しましょう。

エージェントは通常、求職者を事業所に紹介することで事業所から紹介手数料をもらいますが、早期で退職すると事業所に紹介料を返金することが多いため、出来るだけ"あなたが辞めない"事業所を探してくれるはずです。

ですので、まず転職サイトを見て気になる求人がある場合は積極的に転職エージェントに事業所の評判や紹介実績について聞いてみましょう。もちろんエージェントも知らない場合があるので、その場合別のエージェントにも同時に聞いてみることが大切です。

おすすめの転職サイトと転職エージェントについてはこちらの記事を参照ください。

方法②-ネット上で公表されている事業所のデータを活用

2つ目はあまり知られていない、裏技的な方法です。
いい事業所と悪い事業所を見極める1つの指標として、離職率があります。
職員が快適に働けるところでは離職率が低く、そうでないところでは職員がすぐに止めるので離職率は高いでしょう。
その離職率を、厚生省から公開されているデータから計算することが可能です。

各介護事業者は毎年厚生労働省に対して毎年職員の人数や離職数のデータ他、詳しい情報を正しく報告する義務があり、厚生省は報告内容をオンライン上の介護サービス情報公表システムで公表しています。つまり、このサイトで昨年度の各事業所の離職率がわかるのです。
*嘘の報告をした場合は営業停止になる場合もある為、ある程度信ぴょう性は高いと思います。

東京のある特養の例:

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離職率はこの計算で出すことができます。

1年間の離職者数 ÷ 職員数 × 100 = ○%

この特養の離職率は常勤非常勤合計して

11人 ÷ 24人 × 100 = 46%

業界平均が約16%なことを考えるとかなり離職率が高いことがわかります。
また「経験年数5年以上の介護職員の割合」が0%なので、介護経験の浅い職員だけで回していることがわかります。

恐らく運営がうまく回ってない状況が想像できますね。
このように、介護サービス情報公表システムを転職サイトやエージェントの情報と併せて参考にしてみてください。

もし転職エージェントがこの情報と全く違うことを言っているなら、エージェントの質が悪い可能性もあります。
エージェントの質を見分けるのにも利用してみてくださいね。

方法③-面接でこれは必ず聞こう! 

良い職場か見分けるには、面接でしっかり話すのが最も大切です。選ばれる立場ではなく、事業所を選ぶ立場でしっかり見極めをしましょう。

離職率がかなり低い事業所と高い事業所の何が違うかというと、ほぼ管理者の質と言っても良いと思います。

私もかなりの事業所を訪問し、また分析をしてきましたが、管理者が密に職員とコミュニケーションを取って、話しやすい・相談しやすい雰囲気を作っている所は離職率がかなり少ないです。
*モラハラや性格の悪い管理者は論外です。

その理由は下記の通りです。

ポイント1.職場の風通しが良くなり、職員同士の関係も良くなる
   *風通しが悪いと陰口や陰湿ないじめが増えがち
2.職員が管理者に不満を吐けるのでストレスが溜まりにくい
3.管理者は現場の不満をいち早く把握できるので、改善がしやすい

もちろん、ただ職員と話すだけで問題把握や解決の意思がなかったり、何も考えていない能力に欠ける管理者では上記は成り立ちません。

面接では管理者の人柄や話しやすさとともに、本当に能力のある管理者なのか、また新人に対するフォローもしっかりしているかを含め、下記のことを聞いて探りましょう。

1.  現場の状況や人間関係を把握できているか

質問例:職員さんたちは皆さん仲良くされてますか?

見極めポイント:人間関係が悪いという所は入社を控えましょう。良いという場合も正直に話しているかどうかは表情や言葉でわかるはずです。
また、事業所に入った時や見学をした時、職員さんたちがちゃんと挨拶をしてくれる所はまともです。雰囲気が悪い事業所は職員が管理者にも挨拶せず下を向いたままそそくさと通り過ぎるところが多いです。

2.現場のトラブルに対して対処する能力があるか

質問例:人間関係でいざこざがあったりすることもあるかと思いますが、そういう時はどうしているんですか?

見極めポイント:ここで明確に対応策をハキハキ言えるかどうかが大切です。理想は、「問題が起きている両者の話をそれぞれに聞いた後に、仲を取り持つように話合わせて納得させてます」のような具体的なアクションが言えることです。

だいたい何もしない管理者だと、「まず話を聞きますね。。。」と言葉が詰まってしまうことが多いです。

私も、優秀な管理者かどうかはこの明確なアクションを言えるかである程度見分けています。

3. 実際の離職率を再確認

質問例:ここ一年で新しい人は結構入社されてますか?

見極めポイント:入社する人が多いということは、その分辞める人が多いということです。辞める人は多いか?と直接聞くと失礼にあたるかもしれませんので、まだ入ったばかりの人(自分の仲間)が多いのか知りたい、というていで聞いてると良いです。

4. 新人の教育体制がきちんとあるか

質問例:入社してからはどのように教えてもらえるのでしょうか?

見極めポイント:早期離職の多い事業所は、OJTの期間も1,2週間など短い場合が多いです。その理由は教育をおろそかにしている場合もありますし、人材不足で教育担当が足りていない場合もあります。 
この質問に対しては、しっかり教育の担当が決まっているか、十分な期間設けられているかを確認しましょう。独り立ちするまでの期間は最低でも1ヶ月は必要だと思います。

最後に

以上、良い(悪い)事業所を見極める3つの方法でした。
悪い事業所に就職するとまた転職の繰り返しになって履歴書が汚れることにもつながります。

無駄な転職を繰り返さなくても良いよう、こちらが事業所を選ぶ側だという意思で慎重に選びましょうね。

 

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